この数字、いつ・どこで確認した値だっけ……自分で書いたはずなのに、もう思い出せない。
誰にでもある話です。今日からコメントの書き方を少し変えるだけで、この不安はかなり減らせます。
⚠️ この記事の情報は2026年9月時点のものです。特定の業務・製品を指すものではなく、Excelマクロの自動処理やタスクスケジューラでの定期実行など、一般的な自動化作業を想定した内容として一般化して書いています。
結論:数字を書き込む前に「いつ・どこから取った値か」をコメントで残す
結論を先に書きます。プログラムや設定ファイルに数字や設定値をそのまま書き込む「ハードコーディング」自体は、シンプルな自動化作業ではよくある手法で、それ自体が悪いわけではありません。問題はそこではなく、後から見た人が「この数字は今も有効なのか、いつ確認したものなのか」を判断できない状態のまま放置されることです。
対策は単純です。値を書き込む箇所に「いつ・どこから・誰が確認したか」を一行コメントとして必ず残す。これだけで、数か月後に同じファイルを開いた自分や、引き継いだ人が、その数字を信用してよいかどうかを数秒で判断できるようになります。
たとえば、半年前に自分で書き込んだはずの設定値の意味を思い出せず、動作確認だけに想定外の時間を取られてしまう——そんな経験に心当たりがある方は少なくないはずです。コメントを一行残しておくだけで、この種の「思い出せない時間」はかなり減らせます。
なぜ「値をそのまま書く」と事故につながるのか

数字だけが残り、経緯が消える
Excelマクロや定期実行するスクリプトに「保存先のフォルダ名」「処理対象の件数」「待ち時間の目安」といった値を直接書き込むこと自体はよくあります。厄介なのは、その値を決めたときの状況(いつのデータを見て決めたか、どんな前提だったか)がコードの中には残らないことです。数字だけが残り、根拠は書いた人の記憶の中にしかない状態になります。担当者が異動・交代してしまえば、根拠は誰にも分からなくなります。
「本物っぽい数字」ほど危険
やっかいなのは、具体的な数字ほど「ちゃんと確認されたもの」に見えてしまうことです。実際には一度きりの手元確認だった数字を、後から見た人が「今も正しい前提のはず」と誤解し、そのまま使い続けてしまう。これが事故の典型的な入り口です。数字そのものが悪いのではなく、「その数字を信用してよい理由」が書かれていないことが問題なのです。
出典コメントの書き方(具体的な型)

難しいことをする必要はありません。値を書き込む行の直前か同じ行に、次の4項目を短く書くだけです。
- ①いつ確認したか(日付)
- ②どこから取得したか(参照元・確認した場所)
- ③誰が確認したか(担当者名や役割)
- ④次にいつ見直すべきか(目安の時期)
毎回すべてを書けなくても構いません。最低限「いつ・どこから」の2つだけは必ず残す、というルールにするだけでも、後から見た人の判断材料は大きく変わります。
この書き方は特定のツールに限った話ではありません。Excelマクロのコード欄でも、タスクスケジューラに登録するスクリプトのコメント欄でも、考え方は同じです。ツールが変わっても「値のすぐ隣に出典を書く」という習慣そのものは共通して機能します。
非エンジニアが得た教訓
自分でExcelマクロや簡単な自動処理を組むようになって痛感したのは、「動いているから正しい」と「今も前提が正しい」はまったく別だということです。数字を書き込んだ本人にとっては当たり前の前提でも、コメントを残さなければ、その前提は時間とともに消えていきます。コメントを書く数十秒を惜しんで、後から数時間かけて「この数字は何だったのか」を調べ直す羽目になったことも一度や二度ではありません。習慣として身についてしまえば、書く手間はほとんど気にならなくなります。
コメントを書く作業は、最初は余計な手間に感じられるかもしれません。ただ実際に続けてみると、値を書き込むたびに「なぜこの数字なのか」を自分に問い直すきっかけにもなり、結果として入力ミスや前提の勘違いに自分で気づきやすくなるという副次的な効果もありました。
まとめ:今日からできる3つの習慣
ハードコーディングそのものを禁止する必要はありません。大切なのは「後から見た人が信用してよいか判断できる状態」にしておくことです。
- 値を書き込むときは、必ず「いつ・どこから」をコメントで残す
- 「本物っぽい数字」ほど根拠を疑う癖をつける
- 見直しの目安時期もあわせて書いておく
この3つはどれも特別な知識や高価なツールを必要としません。次に数字や設定値を書き込むタイミングから、そのまま実践できる小さな習慣です。
関連記事
無料テンプレート配布のお知らせ
Claude Codeを安全・便利に使うための設定テンプレート(CLAUDE.md)を無料配布しています。メールアドレスをご登録いただくと、すぐにダウンロードリンクをお送りします。
免責事項
本記事は執筆時点(2026年9月)の情報に基づく、筆者個人の体験の記録です。記事中の自動売買システムに関する記述は、特定の投資手法や自動売買の利用を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。また、本記事ではセキュリティに関わる話題に触れていますが、悪用防止の観点から、具体的な脆弱性や攻撃手法の詳細は記載していません。AIツールの仕様は予告なく変更される場合があります。最新情報は各公式ドキュメントをご確認ください。本記事の内容を用いて生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いかねます。

コメント